近江牛のすき焼き|関西風・関東風の違いと年末年始においしく作るコツ

近江牛のすき焼き|関西風・関東風の違いと年末年始においしく作るコツ

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400年の歴史を持つ近江牛で、年末年始のごちそうすき焼きを

寒さが増し、年末年始の食卓の準備を考え始めると、「今年のごちそうはすき焼きにしよう」と思う方も多いのではないでしょうか。とくに近江牛のような上質なブランド和牛が手元にあるなら、調理の仕方でおいしさが大きく変わります。

すき焼きには、大きく分けて「関西風」と「関東風」の2つの作り方があります。この記事では、両者の違いを整理したうえで、近江牛の持ち味を引き出す作り方、部位の選び方、年末年始に失敗しないためのコツを解説します。

関西風と関東風のすき焼きは何が違う?

いちばん大きな違いは「最初に焼くか、最初から煮るか」です。関西風は、熱した鉄鍋に牛脂をなじませ、まず牛肉だけを焼き、そこへ砂糖と醤油を直接加えて味をつけます。野菜はそのあとに入れ、野菜から出る水分で全体を仕上げていくため、割り下は基本的に使いません。

一方の関東風は、醤油・みりん・砂糖・酒などをあらかじめ合わせた「割り下」を鍋に張り、牛肉と野菜を一緒に煮るスタイルです。味が安定しやすく、大人数でも同じ味を保ちやすいのが特長です。

関東風のルーツは、明治時代に東京で流行した「牛鍋」にあるとされます。関東大震災後に関西のすき焼きが広まり、呼び名が「すき焼き」に統一されていったというのが通説です。どちらが正しいというものではなく、それぞれの土地で育まれた食文化の違いといえます。

関西風と関東風の違い 関西風 関東風 ① 肉を焼く ② 砂糖・醤油 ③ 野菜の水分で ① 割り下を張る ② 肉と野菜を ③ 一緒に煮る

近江牛のすき焼きに関西風がよく合う理由

近江牛は、「近江牛」生産・流通推進協議会の定義で「豊かな自然環境と水に恵まれた滋賀県内で最も長く飼育された黒毛和種」とされるブランド和牛です。協議会の認証を受けた近江牛は、格付けがA4・B4以上のものに限られます。肉用牛として400年とも言われる長い歴史を持ち、きめ細かな霜降りと、口どけのよい脂が魅力です。

近江牛の産地・滋賀県は関西圏にあり、地元では肉を焼いてから味をつける関西風のすき焼きが親しまれてきました。最初に肉だけを焼くことで、表面に香ばしさが生まれ、脂の甘い香りが立ちます。砂糖と醤油を直接からめるため、肉そのものの風味をダイレクトに味わえるのが関西風の良さです。

もちろん関東風が近江牛に合わないわけではありません。割り下で煮る関東風は、肉がやわらかく仕上がり、味の調整もしやすいため、すき焼きに慣れていない方や大人数の集まりに向いています。「一枚目は関西風で焼いて味わい、その後は割り下を足して関東風に」という楽しみ方もおすすめです。

すき焼きに向く近江牛の部位と量の目安

すき焼きの定番は、霜降りが美しく脂の甘みを感じやすい「リブロース」や「肩ロース」です。リブロースはきめが細かくやわらかく、ごちそう感を演出したい年末年始にぴったり。肩ロースは適度な霜降りと赤身の旨みのバランスがよく、食べ応えがあります。

脂が多すぎると感じる方や、年配の方がいるご家庭では、「モモ」や「ウデ」など赤身寄りの部位を組み合わせるのもよい方法です。赤身は割り下で煮てもかたくなりにくく、あっさりと食べ進められます。

量の目安は、すき焼きがメインの場合で1人あたり150〜200g程度が一般的です。食べ盛りのお子さんがいる場合や、締めのうどんまで楽しむかどうかでも変わるので、人数と食べる方の好みに合わせて調整しましょう。

すき焼きにおすすめの部位 リブロース 肩ロース モモ 濃厚な霜降り 旨みのバランス あっさり赤身 目安:1人あたり150〜200g

関西風・関東風それぞれのおいしい作り方

関西風の作り方:鉄鍋を中火でしっかり温め、牛脂を溶かして鍋全体になじませます。近江牛を1〜2枚ずつ広げて入れ、色が変わり始めたら砂糖をふり、醤油を回しかけます。肉に火が通りすぎる前に、溶き卵にくぐらせて食べるのがポイントです。肉を味わったあとで、ねぎ・焼き豆腐・しらたき・春菊などを加え、野菜の水分と肉の旨みで煮ていきます。味が濃くなってきたら、酒や少量の水で調整してください。

関東風の作り方:醤油・みりん・酒・砂糖を合わせて一度煮立て、割り下を作ります。配合はご家庭によってさまざまですが、甘さ控えめにしたい場合は砂糖を減らし、みりんで甘みを補うと上品に仕上がります。鍋に牛脂をなじませ、ねぎを軽く焼いてから割り下を注ぎ、野菜と近江牛を入れて煮ます。上質な霜降り肉は火が通りやすいため、煮込みすぎず、さっと火を通したら早めに引き上げるのがコツです。

どちらの作り方でも共通する注意点は、「肉を煮込みすぎないこと」です。近江牛の脂は融点が低く、口の中でとろけるのが持ち味。加熱しすぎると脂が抜けてかたくなってしまうので、少しずつ入れて、その都度食べるのがおいしく味わう秘訣です。

年末年始・お歳暮で届いた近江牛をすき焼きで楽しむコツ

年末年始は、お歳暮として近江牛が届いたり、帰省に合わせてまとめて購入したりと、上質なお肉を扱う機会が増える時期です。冷凍で届いた場合は、食べる前日に冷蔵庫へ移し、時間をかけてゆっくり解凍しましょう。急激な解凍はドリップ(肉汁)が出やすく、旨みが逃げる原因になります。

調理の20〜30分ほど前には冷蔵庫から出し、室温に近づけておくと、鍋に入れたときに火の通りが均一になります。スライス肉は重なったまま置くとくっつきやすいので、パックから出したら1枚ずつ広げられるよう、皿に並べておくと調理がスムーズです。

大人数で囲む年末年始の食卓なら、最初に関西風で焼いた近江牛を一人ひと切れずつ味わってもらい、その後は割り下を加えて関東風で煮ていくと、準備も楽で盛り上がります。締めには、旨みの溶け出した鍋でうどんを煮たり、翌日に残りを卵でとじて丼にしたりと、最後までおいしく楽しめます。

まとめ

すき焼きは、肉を焼いてから砂糖と醤油で味をつける「関西風」と、割り下で煮る「関東風」に大きく分かれます。滋賀県産の近江牛には、地元で親しまれてきた関西風で、香ばしさと脂の甘みをダイレクトに味わう食べ方が特におすすめです。

部位はリブロースや肩ロースを中心に、赤身のモモを組み合わせるとバランスよく楽しめます。年末年始のごちそうやお歳暮で届いた近江牛は、ゆっくり解凍し、煮込みすぎないことを意識して、特別なすき焼きを味わってください。

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監修: 和牛本舗編集部 / 和牛ソムリエ資格者

この記事は、和牛の格付け基準や産地ごとの特徴、味わいの違いに関する専門知識を持つ「和牛ソムリエ」資格保有スタッフが内容を確認しています。和牛選びの参考としてお役立てください。

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